やる気スイッチと目に見えない氣のお話 前編

みなさま、こんにちは。
名古屋の中学受験専門プロ家庭教師の富都野です。

ゴールデンウィークも終わってもうそろそろ6月。
夏休みに向けた話もちらほら出始める頃ですね。

さて、今日はゴールデンウィーク中の私の貴重な経験をご紹介します。
大人の皆さまにも何か氣づきがありましたら、嬉しく思います。

(このブログの内容は、私が所属しているグループのあめことブログに寄稿したものです。一部改変。)

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私には甥っ子がひとりいます。
来年の春に中学受験を控えた小学6年生です。

今日はこの甥っ子の話をしたいと思います。
ここではNちゃんと呼びます。

弟から突然SOSの電話がかかってきたのは先月の終わり。

Nちゃんが毎日何時間も勉強しているのに
塾の成績が底辺を這っていて全く上がらない。
5月8日の公開模試に向けて、
何とかしてしてほしい…とのこと。

ゴールデンウィークに特訓してほしいと与えられた時間は、
5月3日夜から5日夕方までの45時間。

可愛いNちゃんのために一肌脱ごうと予定を空けました。

限られた時間なので
苦手な算数の1分野を一点集中指導することにしました。
それをきっかけに大フィーバーすることを信じて。

さて、いよいよ当日、Nちゃんは、
パパママお祖父ちゃんお祖母ちゃんを従えて?
一家まるごと民族大移動の如く遠路遥々やって来ました。

半年ぶりに会ったNちゃんは、顔つきが少し大人びていましたが
幼い頃から変わらずの人懐っこい笑顔を浮かべていました。

弟夫婦に急かされて(笑)、遅めの夕飯もそこそこに、
Nちゃんのゴールデンウィーク特訓早速開始。

まずは弟夫婦にヒアリング。
弟夫婦は、Nちゃんは毎日深夜1時過ぎ(!)まで勉強しているのに
いっこうに成績が上がらない。
こんなに勉強しているのにどうして…と困り果てていました。

テストになると緊張するのかできていたことも間違える。
メンタルが弱いのかも…と心配する弟夫婦。

Nちゃん自身も、
パパママへの申し訳なさや、
何時間も勉強しているのに
できないことが罪悪であるかのようなバツの悪さや、
勉強しても良くならないダメ子だったら…という恐れ等々
色々抱えていたのか、自信を失っているようでした。

それでも、今回どうしても成績を上げたいと
覚悟を決めて名古屋に来たようで、気合いは十分。

うん、Nちゃんはいける。
きっと出来るようになる。
私はNちゃんに「できる子」の氣を張り付けました。

いよいよ、Nちゃんの指導に入りました。
始めに、Nちゃんが何がどれくらいできるのかできないのか
しばらく様子をみていました。

ほぉほぉ、できるじゃん。

正直、出会った当初の私の教え子たちより筋が良いし(爆)、
基礎もしっかりしてる。

「Nちゃん、めっちゃできてるよ。」

Nちゃん、意外な声かけに驚きつつちょっと嬉しそう。
弟夫婦はちょっと半信半疑、でも嬉しそう。

Nちゃんはそこからやる気スイッチが入りました。
恐る恐る解いていた手にも自信が出てきました。

Nちゃん、興奮冷めやらぬまま初日終了。
良い感じ。

翌日も朝早くから、Nちゃんは元気にホテルからやって来ました。
率先して勉強を始めました。

この日は、同じ問題を自力で解ききるまで
何度も何度も繰り返しました。

分からないことをまずは分かるようにしよう。
分かったら、分かったことをできるようになるまで
何度も繰り返そう。それが大事。

自力で最後の答までたどり着けなければ何百回でも繰り返し。
1回1回繰り返す度に、答に近づいていきます。

一歩一歩できるようになっていく、その過程が面白いようで、
Nちゃんのやる気にさらに火がつきました。

ニコニコしながらも真剣に集中して
今度こそ!という気持ちで解いていきます。

10回位繰り返した末にようやく自力で正解にたどり着きました。
たった1問に1時間以上かけたかもしれません。

でも、それによって得られた喜びと達成感がガソリンとなって、
Nちゃんのやる気エンジンは最高潮に。

できる問題が増えれば増えるほど、
ガソリンがどんどんエンジンに注がれていきます。

勉強が楽しくて仕方がないようでした。

知らないことを知る喜び、
分からないことが分かる喜び、
できないことができるようになる喜び。

Nちゃんを見ている私が、学ぶことの本質を
Nちゃんに見せてもらいました。

いよいよ最終日。

私は弟夫婦に
Nちゃんはものすごくできるから心配無用だということ、
その上で成績を上げるための今後のアドバイスを
伝えました。

Nちゃんの確かな変化に
弟夫婦もNちゃんを見る目が変わっていました。
パパママから誉められてNちゃんも嬉しそうでした。

そんなこんなで、あっという間に
ゴールデンウィーク特訓は終了。

ヘトヘトになりながらも確かな手応えを得た様子で
自信を持った表情でNちゃんは帰っていきました。

そして、いよいよ5月8日の公開模試。
それからおよそ一週間後に、弟から結果報告がありました。

(つづく)