みなさま、こんにちは。
名古屋の中学受験専門プロ家庭教師 富都野日穂理です。
この時期にやるべきことを厳選し、正しいやり方で取り組むこと
① テストの問題を解き直すこと
② 志望校と併願校の過去問を解くこと
前回は、①テストの問題を解き直すこと についてお話しました。
今日は、②についてお話します。
志望校と併願校の過去問を解くこと
これは、中学受験に限らず、高校受験、大学受験でも、
受験生であれば誰もが取り組むことではあります。
ただし、この過去問を解くことの正しい目的を理解できている受験生や親は
多くないように思います。
過去問を解く目的は、時期によって変わります。おもに下記の通りです。
① 自分の学力と志望校の入試レベルの差を知るため
② 自分自身の弱点、モレ、ヌケ、アナを知るため
③ 志望校・併願校の出題傾向、出題形式を知るため
④ 問題用紙や解答用紙の様式を知り、なじむため
⑤ 本番を意識して、時間配分や問題を解く順番など戦略を立てるため
夏休みや二学期開始直後の新たなモチベーションを高める時期であれば①~②
今であれば②~③、直前期は④~⑤と、
時期によって、主たる目的はゆるく変化していきます。
今の時期は、今まで学んできた知識や解き方を使ってどう問題を解いていくか、
つまり、今まで増やしてきた武器やアイテムを使って、どう敵キャラを倒していくか
というアウトプットの練習(練習試合)が大切な時期に入っています。
そして、アウトプットと同時に、
自分の弱点や、得意だと思っていた分野にも隠れているモレヌケを把握することも
同じくらい大切です。
志望校の出題傾向を知り、志望校が良く出す分野が
自分の弱点になっていると気づいたら、早急に対処できますね。
多くの中学受験塾、特に大手の塾では、志望校別の対策講座で
その志望校の過去問のみならず、
そこと似たようなレベルの中学校の過去問を集めたテキストを用いて授業が行われます。
その理由は、
もちろん他の中学校で出題されたのと似た問題が出される可能性を考慮して、
ということもありますが・・・
同じ出題分野でも、学校によって様々な問われ方をします。
ですから、複数の学校の過去問を用いて、多様な内容の問題や形式に触れることで、
お子さまの弱点やモレヌケをあぶり出そう、
つまり目的②と③を満たそうとしているからだと思います。
したがって、過去問を解く目的は、
「去年の国語、7割取れたから受かる!」とか
「おととしの算数は、3割だった・・・どうしよう・・・」など
一喜一憂するためのものではない、ということですね。
今、6割(多くの中学の合格平均が6割強です)とれなくてもいいのです。
過去問は、「ここ、本番までにできるようにしておいてねー」と
今のお子さまの弱点を教えてくれているだけです。
お子さまは、過去問を解くとどうしても一喜一憂しがちですが、
「弱点を教えてくれているだけだよ。ありがたいね。入試までに弱点なくしちゃおうね。」
と、お母さまお父さまがうまく声かけをして、
できなかった問題を解き直すモチベーションを高めてあげてください。
お子さまと一緒に、できたところとできなかったところをしっかりと把握して、
本番までに、弱点を完璧につぶしておきましょう。
次回は、テストの問題の解き直しや、過去問を解く際の
「正しいやり方」についてお話しますね。